コラム｜鎌倉市で障害年金申請、労務相談ならフェリーチェ社労士事務所

2024年07月22日

障害年金とは、障害を抱える方々に対して提供される経済的な支援制度です。

この制度を理解し、適切に活用するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

この記事では、「障害年金で知っておきたい５つのポイント」を中心に、障害年金の基本的な仕組みから所得制限に関する詳細までを解説します。

障害年金で知っておきたい５つのポイント

まずは障害年金の仕組みや所得制限などについて確認しましょう。

ここでは、5つのポイントにまとめて紹介します。

ポイント1: 障害年金の基本的な仕組み

障害年金とは、病気やけがによって働けなくなった場合に、生活費の一部を補填するために支給される年金です。

日本の社会保険制度において、障害年金は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類に分かれています。

障害基礎年金は国民全員が対象となるもので、障害厚生年金は厚生年金に加入している人が対象です。

これらの年金は、障害の程度や収入状況に応じて支給額が異なります。

また、申請の際には医師の診断書や詳細な申請書類が必要です。

ポイント2: 所得制限の概要と目的

障害年金には所得制限が設けられており、これに該当する収入が一定以上ある場合、支給額が減額されることがあります。

所得制限の主な目的は、高い収入を得て生活に大きな支障がない人に対して合理的な年金支給を行うことです。

この制度は、財源の適正配分と社会保障制度の持続可能性を確保するために重要です。

具体的には、所得制限が適用される場合、収入が一定の基準を超えるとその分だけ障害年金の支給額が減額される仕組みになっています。

例えば、自営業者やフリーランスの方が主に該当しやすく、給与所得者もボーナスや副収入が大きくなると影響を受けます。

ただし、所得制限の基準や詳細は年によって変更されることがあるため、最新の情報を確認することが重要です。

これを知らずに申請を行うと、不測の支給額変更や返済義務が発生することがあります。

ポイント3: 所得制限に該当する収入源

障害年金の所得制限に該当する収入源は多岐にわたります。

基本的には、給与所得、事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得などが挙げられます。

これらは全て所得税の対象となる収入であり、所得制限の計算に含まれます。

給与所得はその名の通り、勤務先からの給与やボーナスが該当し、事業所得は自営業やフリーランスとして得た収入が該当します。

また、不動産所得は賃貸収入や不動産取引による利益が含まれ、利子所得は銀行預金や債券からの利子が該当します。

配当所得は株式投資や投資信託からの配当が対象となります。

ただし、収入合計額だけでなく、社会保険料や特定の経費を差し引いた後の「課税所得」が基準となることが多いため、詳細な計算が必要です。

これにより、どのような収入がどれほど所得制限に影響するのかを正確に把握することができます。

ポイント4: 所得制限の具体的な金額基準

所得制限の具体的な金額基準は、年ごとや障害の等級によって異なります。

例えば、障害基礎年金の場合、所得制限の基準額はおおよそ約360万円が目安とされていますが、障害厚生年金の場合は、加入期間や受給者の年齢などによっても変動します。

これらの基準額は、毎年政府や厚生労働省によって見直されることがあるので注意しましょう。

また、所得制限の金額基準には、扶養家族の有無やその人数も影響を与えることがあります。

これは、扶養している家族が多いほど、生活費がかさむため、その分だけ所得制限の基準額も高く設定される傾向があるからです。

したがって、具体的な金額基準を把握するためには、最新の情報を定期的に確認し、自身の収支状況と比較してみることが重要です。

このような情報は、役所の窓口や公式ウェブサイトで確認することができます。

ポイント5: 所得制限に伴う年金減額の計算方法

所得制限によって障害年金が減額される場合、その計算方法は比較的複雑です。

基本的には、課税所得が所得制限の基準額を超えた場合、その超過分に応じて年金が減額されます。

具体的には、超過額の一部が年金支給額から差し引かれる仕組みとなっています。

例えば、課税所得が400万円で、所得制限の基準額が360万円の場合、超過額は40万円です。

この40万円に対する減額率が適用され、その結果が年金支給額から差し引かれます。

減額率は障害の等級や具体的な状況によって異なるため、詳細な計算が必要となります。

また、減額された年金額についても、再度収入状況や生活費を考慮して調整されることがあります。

減額の可能性がある場合は、事前に詳しい計算を行い、年金支給機関に相談するのがおすすめです。

障害年金とは？

障害年金とは、病気やケガによって障害がある状態になった場合に、経済的支援を受けることができる社会保障制度の一つです。

障害によって働く能力が低下したり、全く働けなくなったりした際に、その生活を補うために給付される年金です。

障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があり、それぞれの条件を満たすことで受給できます。

どのような障害が対象となるのか？

障害年金の対象となる障害には、身体的な障害・精神的な障害・知的障害などが含まれます。

身体的な障害には、視覚障害・聴覚障害・肢体障害などがあります。

また、精神的な障害には、うつ病・統合失調症・てんかんなどが含まれ、知的障害では発達障害や知的発達の遅れが該当します。

このような障害があることで、日常生活や仕事に大きな支障が出ている場合に、障害年金の申請が可能です。

なお、障害の程度は、国の定める障害等級に基づいて判定されます。

障害年金の給付額と受給期間

障害年金の給付額は、障害の等級や加入している年金制度によって異なります。

障害基礎年金の場合、1級で約97万2千円、2級で約77万8千円が年間の給付額となります。

加えて、子供がいる場合は、一定の加算額が支給されます。

一方、障害厚生年金は、加入期間や標準報酬月額によって給付額が変動しますが、障害基礎年金に上乗せして支給されます。

受給期間については、障害が続く限り給付されるため、基本的には無期限ですが、定期的な審査が行われ、その結果によっては給付額の変更や停止がされることがあります。

申請手続きと必要書類

障害年金の申請手続きは、まず年金事務所または市区町村役場で障害認定申請書を入手することから始まります。

その後、診断書や病歴・就労状況等申立書などの必要書類を揃えて提出します。

診断書は、特定の医師に記入してもらう必要があり、障害の内容や程度を詳しく証明する書類です。

また、病歴・就労状況等申立書は、過去の病歴や現在の働く能力等を詳細に示すものです。

これらを揃えて提出することで、障害の程度を判定する審査が行われ、審査結果に基づいて障害年金の受給が決定します。

受給に必要な条件

障害年金を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

まず、初診日要件として、障害の原因となった病気やケガの初診日が国民年金加入中か、20歳前、もしくは60歳から65歳の間であることが必要です。

次に、保険料納付要件として、初診日の前日において年金保険料の納付期間が加入期間の3分の2以上であることが求められます。

最後に、障害の程度が国の定める障害等級に該当することが必要です。

これらの条件をすべて満たすことで、障害年金の受給資格が得られます。

給付停止や変更のタイミング

障害年金の給付停止や変更は、いくつかのタイミングで行われます。

まず、定期的な審査で障害の程度が軽減され、障害等級に該当しなくなった場合は、給付が停止されることがあります。

また、年金受給者が死亡した場合や、他の年金と受給調整する必要がある場合も、給付が停止または変更されることがあります。

さらに、受給者の状況に大きな変更が生じた場合も、随時審査が行われるため、その結果によっては給付額が変更されることがあります。

受給者は、これらの変更に対応するための手続きが必要となることがあります。

所得制限の具体的な適用方法

所得制限は、特定の給付や支援を受ける際に収入が一定の基準を超える場合、その給付や支援が受けられなくなる制度です。

具体的な適用方法は法令によって異なりますが、一般的には申請者やその家族の所得を計算し、その合計が一定の基準を超えないことが条件となります。

ここからは、所得制限の適用方法について詳しく見ていきましょう。

所得とは何を指すのか？

所得とは、個人や世帯が一定期間内に得た全ての収入のことを指します。

ただし、所得には給与所得や事業所得だけでなく、不動産所得・利子所得・配当所得など多岐に渡るものが含まれます。

さらに、所得計算では必要経費や特定の控除を差し引いた後の金額が用いられます。

そのため、自らの収入がそのまま所得とはならず、詳細な計算が求められます。

収入と所得の違い

収入と所得の違いは、収入が労働や資産運用などから得られる総合的な金銭を意味するのに対し、所得はその収入から必要な経費や控除額を差し引いたものを意味します。

例えば、給与収入が500万円の場合、社会保険料や所得税、住民税などを差し引いた後の金額が所得となります。

この違いがあるため、所得制限においては所得額で判断することが一般的です。

課税所得と非課税所得の区別

所得には課税所得と非課税所得が存在し、それぞれ異なる取り扱いが行われます。

課税所得とは、税金が課される収入のことで、給与所得や事業所得、不動産所得などが該当します。

一方、非課税所得とは、特定の条件や法令によって税金が免除される収入のことを指し、児童手当や一部の奨学金、生活保護などがこれに該当します。

所得制限を考える上では、この区別が非常に重要です。

収入の申告方法

収入の申告は、一般的には確定申告や年末調整を通じて行われます。

給与所得者の場合、毎年の年末調整によって会社が税額を計算し、必要な情報を税務署に提出します。

一方、自営業者や複数の収入源を持っている場合は、確定申告が必要です。

確定申告では、収入の種類や金額、経費、控除などを詳細に記載する必要があり、これに基づいて最終的な所得が計算されます。

共働き家庭の所得取り扱い

共働き家庭では、夫婦の所得を合算して判断する場合が多いです。

ただし、一部の支援制度では、片方の所得のみを対象とする場合もあります。

例えば、育児手当の申請では、主に育児を担当する親の所得が基準となることがあります。

また、配偶者控除や配偶者特別控除を利用することで、全体の税負担を軽減することも可能です。

各制度の具体的な条件を確認することが重要です。

障害年金所得制限の対策方法

障害年金には所得制限が設けられており、一定の所得を超えると年金の受給が停止される可能性があります。

特に、受給者が働いている場合や家族の収入が影響を受ける場合は、収入の調整が必要です。

以下では、所得制限を超えないための具体的な対策方法について説明します。

所得制限を超えないための工夫

所得制限を超えないようにするためには、節税対策や収入の調整が必要です。

例えば、医療費控除や寄付金控除、扶養控除などの適用を受けることで、課税所得を減少させることができます。

また、非課税の収入源を活用するのも一つの方法です。

これにより、生活を維持しつつ所得制限をクリアできる可能性が高まります。

収入を調整する方法

障害年金の所得制限を回避するためには、収入自体を調整することも検討すべきです。

例えば、パートタイムやアルバイトなどの収入を減らす、または在宅ワークを利用することで収入のバランスを取ることが考えられます。

さらに、家族全体の収入を見直し、必要な支出を見直すことで全体の所得を最適化することが可能です。

まとめ

障害年金は、障害を持つ人々が安定した生活を送るための重要な支援策です。

申請前に障害年金の基本的な仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

また、障害年金には「国民年金」や「厚生年金」があるため、それぞれで対象となる障害の種類や給付額、受給期間に関する情報も把握しておくと安心です。

ぜひ本記事を参考に情報の整理を行って、障害年金について理解を深めてみてくださいね。